Interview Relay ~42のストーリーで想いを繋ぐ~
My Tokyo Marathon is…? 憧れの大会、残し続けていきたい大会
- 走る人

東京マラソンへの想いを42のストーリーで繋ぐインタビューリレー。
今回は“老若男女、速さ遅さ問わず自分の目標に一生懸命でお互いに尊敬し合う集団”をコンセプトに活動しているランニングコミュニティ「TRYING RUNNING CLUB」の代表、大谷遼太郎さんです。
コミュニティ運営者の視点から感じる東京マラソンの魅力・価値、東京マラソンが街やランニングカルチャーにもたらした変化のほか、今後どのようにランニングや運動の楽しさを広めていきたいかなどについてうかがいました。
ランニングの印象が「ツラい」から「カッコいい」に

――ランニングコミュニティ運営者の視点から見る東京マラソンの存在意義、価値をどのように考えますか?
当コミュニティは東京を中心に、大阪、そして名古屋と活動していますが、東京という大都市を走れる東京マラソンはコミュニティの誰もが憧れる大会となっていますね。誰もが憧れる大会だからこそ、出場に対してトレーニングをより意識高く取り組もうとするメンバー が多く、今回出場する私もそのうちの1人です(笑)。
普段、自分たちが生活している東京のど真ん中を走れる大会だからこそ、東京マラソンは他の大会に比べて圧倒的に魅力的であると感じています。
――東京マラソンが開催されるようになってから、または大会がメジャーになってから感じるランニングカルチャーにおける変化を教えてください。
私は競技者として高校、大学、実業団とトップで走り続けきましたが、東京マラソンをきっかけにマラソンという競技がカッコいい、と思われるようになったと考えています。
私の学生時代は長距離走というと、ツラい、苦しい、罰走というイメージを待っている友だちや知り合いが多く、「なんで走っているの?」とよく聞かれていました。そんなイメージが強いランニング、長距離走でしたが、東京のど真ん中を走るというこれまで日本にはなかった大会によって、またトップアスリートや身近な知り合いが東京マラソンを走ることによって、ランニングをすること、走る人を応援することが身近になったと思います。そして応援した人たちがランナーの一生懸命さに心打たれて、ランニング の印象が変わっていったのではないでしょうか。
今までランニング=ツラいというイメージを持った方々が東京マラソンを応援することで、ランニングや一生懸命な姿がかっこいい、と思うようになったと考えていますし、そうであってほしいと願っています。
――東京マラソンの魅力をどのように感じていますか? なぜランナーは東京マラソンを走りたいと思うのでしょうか?
ランナーである自分の中で東京マラソンは特別であり、自分が大好きな東京のど真ん中を走れるという大会は何にも変えられません。これは箱根駅伝と似たような感覚があり、自分の中で大学卒業後に目標にしていたオリンピック、それに変わる特別な存在になりつつあります。
目標に向かって日々努力を重ね、大会本番に緊張しつつ自分のやってきた努力が正しかったかを証明する場所が東京マラソン。そんな場所が大都市東京の普段なら車が走る大通りや観光客でごった返している、自分たちが普段暮らしている街というのは特別であり、東京マラソンは特別な存在です。
走る人も応援する人も、みんなが一体になる感覚

――東京マラソンとの思い出のストーリーを教えてください。
自分は競技者であったが故に、応援されることはあってもあまり応援をしたことがなかったのですが、コミュニティを運営するなかでメンバーや友人の応援に行くことが増えました。その中で東京マラソンだけは、応援するのではなく自分が走りたい大会だな、と改めて感じました。
その理由は走っている選手も応援している人たちも東京マラソンは特に一体感を感じたからです。沿道からの応援が単なる声援ではなく、ランナー一人ひとりの背中を押す力になっていると感じましたし、ランナーと応援者が一体となってレースを作り上げている、そんな感覚を覚えました。
また、コース全体を包む熱気も一体感を醸成していますよね。スタート前の高揚感やレース中の真剣な走り、フィニッシュ後の達成感と安堵感など、それぞれの瞬間を沿道の人々や応援してくれている仲間たちと共有している感覚が応援者の自分にもありました。今年はこの感覚をランナー側で味わってみたいです。
――東京マラソン財団は、「世界一安全・安心な大会」、「世界一エキサイティングな大会」、「世界一あたたかく優しい大会」を3本の柱にして、『世界一の街東京で、世界一の東京マラソン』を実現していきたいと掲げています。これについてどう思いますか?
海外のメジャーマラソンに出場したことはないので比較は出来ないのですが、既に掲げているスローガンは達成できているのではないでしょうか。これ以上もっと盛り上がる東京マラソンは僕みたいな器の小さい男では想像できません(笑)。
3本柱のなかでは「世界一あたたかく優しい大会」という点に特に共感します。沿道の応援は本当に温かく、力になりました。寒い中、長時間応援してくださる方々の姿には感謝しかありません。また、ボランティアの方々の献身的なサポートも、大会の温かさを象徴していると思います。
変化する時代の中で「継続すること」の大切さ
――あなたにとって東京マラソンとは? #MyTokyoMarathon is…?
憧れであり、出場するべき大会であり、残し続けていきたい大会です。
今までは応援する立場で観戦する側でしたが、今回出場させていただくことになり、走り終わった後にまた色々なことを思うかもしれません。この質問に答えている今も緊張しています。それくらい憧れの大会です(笑)
――今後の東京マラソンに期待すること、ランニングカルチャーを盛り上げるために取り組んでほしいことなどはありますか?
東京マラソンに期待することは、「継続していくこと」ですね。時代が変わっていく中で続けていくことはとても難しいことだと考えます。僕らがやっているランニングも走るというシンプルなことですが、年齢を重ねてライフスタイルが変わっていく中で継続することの難しさ、そして何よりその大切さを感じています。
東京マラソンが素晴らしいレガシーを残し続けられるように、微力ながらランニングカルチャー、ランニング業界に貢献していきたいと考えています。ランニングカルチャーを盛り上げていくことに対しては皆さまと一緒に、時代の変化に対応しつつ考えていきたいですね!
――今後、TRYING RUNNING CLUBさんではどのようにランニングを広め、どのような活動をしていきたいと考えていますか? 今後の展望などを教えてください。
今回の東京マラソン出場を機に、TRYING RUNNING CLUBでは、より多くの方にランニングの楽しさ、素晴らしさを伝えていきたいと考えています。初心者向けのランニング教室や、ランニングを軸に他のスポーツを掛け合わせたランニング企画などを実施し、ランニングを通じたコミュニティの活性化に貢献していきたいです。
また、東京マラソンのような大規模な大会への出場を目標とするランナーのサポートも行っていきたいと考えています。