Interview Relay ~42のストーリーで想いを繋ぐ~
My Tokyo Marathon is…? 中途半端に走りたくない、特別な大会
- 走る人

東京マラソンへの想いを42のストーリーで繋ぐインタビューリレー。
今回は神野大地さんです。大学時代は「山の神」としてチームを箱根駅伝優勝に導き、現在はプロランナーとして活躍している神野さん。
一方で、自身の経験、速く走るためのノウハウを一般ランナーにも伝えたいという思いから2022年に「RETO RUNNING CLUB」を立ち上げました。現役のランナーとして、またランニングコミュニティ運営者の視点から感じる東京マラソンの魅力や価値、そして今後クラブを通してどのようにランニングを広めていきたいかなどについてうかがいました。
東京マラソンは最も特別なレースになっている

――ランニングコミュニティ運営者の視点から見る東京マラソンの存在意義、価値をどのように考えますか?
RETO RUNNING CLUBは「目標達成を目指す」ランナーが集まっているランニングコミュニティなので、目標が魅力的であることは、メンバーのランニングに対するモチベーションに大きく関わる重要な要素です。その中で東京マラソンは最も特別なレースになっていると感じます。
――東京マラソンが開催されるようになってから、または大会がメジャーになってから感じるランニングカルチャーにおける変化を教えてください。
東京マラソンがあることで、色々な属性の方がマラソン、ランニングに興味をもち、取り組むきっかけを作っているように思います。東京マラソンがタイムを狙うランナーにとって憧れであり特別な大会であることは言うまでもないですが、普段はランニングに興味がない方や走ることが好きじゃかった方もランニングと接することができるようになったと思います。
――東京マラソンの魅力をどのように感じていますか? なぜランナーは東京マラソンを走りたいと思うのでしょうか?
やはり大都会の東京を思う存分走れることは魅力に感じます。普段、東京に住んでいる方にとっては仕事やプライベートで知っているけど普段は走れない道がコースになっていますし、東京以外の人は「テレビで見たことがある!」など馴染みのあるコースを走ることができるのは大きな魅力ですね。あとは大会自体の特別な盛り上がり。参加者も多く、沿道からは途切れることがない声援を受けられます。ランナーにとって声援は力になりますからね。
ラストチャンスでMGC出場権を獲得した2019年

――東京マラソンとの思い出のストーリーを教えてください。
2019年の東京マラソンです。大雨、気温4℃という厳しいコンディションのレースでした。東京オリンピック選考会のMGC出場権をなかなか取れず実質ラストチャンスとなったこのレースで日本人4位、全体でも8位に入賞しMGC出場権を獲得した思い出に残るレースです。
――東京マラソン財団は、「世界一安全・安心な大会」、「世界一エキサイティングな大会」、「世界一あたたかく優しい大会」を3本の柱にして、『世界一の街東京で、世界一の東京マラソン』を実現していきたいと掲げています。これについてどう思いますか? また今後、東京マラソンにどのような期待をしていますか?
素晴らしい3つの柱だと思います。東京マラソンにはアボット・ワールドマラソンメジャーズの中でも最も人気のある大会になって欲しいです。
また、エリート選手の立場としては、記録を出すためにコースの走りやすさや、応援や参加者の人数による盛り上がり、というのがレースを選択するための基準になりますが、東京マラソンは現段階でも世界中のエリート選手が走りたいと思える条件を満たしているレースだと思います。
一方で、私も昨年、これは東京マラソンではなく北海道マラソンになるのですが、初めて一般エントリーでマラソンを走ってみたんです。恵まれた待遇でレースに臨める招待選手とはまた違った視点でマラソンを経験しましたが、まさに安全面等の重要性というものを体感しました。
目標を持ってランニングに取り組む魅力を伝えたい
――あなたにとって東京マラソンとは? #MyTokyoMarathon is…?
中途半端に走りたくないマラソンです。東京マラソンは過去3回走らせてもらっていますが、結果は良い時も悔しい結果の時もありました。でも、どの大会も自身の大きな目標として取り組みました。
東京マラソンは世界のトップ選手、日本のトップ選手が集まる大会であり、市民マラソンとしても特別な盛り上がりを見せる大会です。走るからには大きな目標レースとして、本番までにしっかり仕上げて走りたいです。東京マラソンであればモチベーション高くハードな練習にも向かっていける、そう思わせてくれます。現役である間は、ファンランとしては走りたくないです。一方で、引退後に気楽に参加してみたいなとは思います。(笑)
――今後の東京マラソンに期待すること、ランニングカルチャーを盛り上げるために取り組んでほしいことなどはありますか?
多くの人が目指したい、走ってみたいと思う憧れのマラソンであり続けて欲しいです。日本だけではなく世界中の人が「東京マラソンを走りたい!」、そう思ってもらえると良いなぁと思います。東京マラソンの関連イベントを1年を通して行って、ランニングを始めるきっかけを多く作っていただいたり、普段から走っているランナーのランニングライフがより充実するような機会を作って欲しいです。
――今後、RETO RUNNING CLUBさんではどのようにしてランニングやランニングファンを増やしていきたいと考えていますか? クラブとしての今後の展望などを教えてください。

ランニングといっても、ファンランの人から大会に出て記録を狙う方まで色々な楽しみ方がありますし、それは本当に人それぞれで良いと思います。ただ、僕らとしては、その中でも目標を持ってランニングに取り組むことの魅力を伝えていきたいです。その魅力を発信していくこともしますが、やっぱりRETO RUNNING CLUBのメンバーにその魅力を感じてもらうようにサポートしていくというのが一番かなと。
そして、メンバーが目標を持ってランニングに取り組むことで、「人生が豊かになった」と感じてもらうことが大切だと考えています。一番身近な人たちにその魅力を感じてもらえば、そこからメンバーの家族や友人、またその先にと、少しずつ広がっていく気がしているんです。実際に、メンバーのご家族が初マラソンにチャレンジするといったことも起きていますからね。
神野さんが深掘る東京レガシーハーフの魅力はこちら