Interview Relay ~42のストーリーで想いを繋ぐ~

My Tokyo Marathon is…? 「七転び八起き」それがランニング、人生のすべて

My Tokyo Marathon is…? 「七転び八起き」それがランニング、人生のすべて

 

東京マラソンへの想いを42のストーリーで繋ぐインタビューリレー。

今回は亡き父との思い出を胸にマラソンへの情熱を燃やすMaria Joãoさんの素敵なストーリーをご紹介します。

 

父との大切な思い出とお寿司を味わうために

――現在掲載されているインタビュー記事で最も共感した記事を教えてください。何km目のランナーの記事ですか?

 私の心に最も響いたインタビューは、ランニングを通じて生きがいを見つけ、東京マラソンをチャリティランナーとして毎年走っている脳科学者、茂木健一郎氏のインタビューです。

私も目的を持って走っているので、彼のストーリーにはとても共感しました。私は、腎臓がんで亡くなった父を偲んでチャリティランナーとしてロンドンマラソンを走り、世界中の子どもたちに平等ながん治療を提供するために闘う組織「World Child Cancer」を支援しました。悲しみに暮れるすべての人が本当に求めているのは、幸せで健康な思考だと信じています。茂木氏のように、私は痛みを意義深いものに変え、他の人を助けながら、前向きさ、喜び、愛に満ちた人生を送っています。

茂木氏は分かりませんが、マラソンでいう35 kmの壁にぶつからなければマラソンを走ることはもっと幸せに感じることができるでしょう(笑)。でも、目的のために走ることは、痛みを乗り越える力を与えてくれ、全てのことには起るべく理由があるのです。

 

――東京マラソンの一番の魅力、走りたくなるポイントはどんなものですか?

 

 日本で開催される東京マラソンは私にとっての夢と賞賛に値する大会です。

父と私は陸上競技の大ファンで、オリンピック、世界選手権、欧州選手権など、主要なスポーツイベントを見て育ちました。私たちが共通してインスピレーションを受けたのは、ポルトガル人女性のマラソンランナーでマラソン選手として男女通じて史上初めて世界選手権・オリンピックの2冠を達成したロザ・モタです。彼女は日本の大阪国際女子マラソンでも優勝しており、私は幼い頃、父の膝の上に座って彼女のレースを観戦していたのを覚えています。

私はアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)を完走することを目標にしていて、東京マラソンへの参加はその大きな節目となるでしょう。日本、特に東京でマラソンを走ることは、父を敬うとともに、かつて父のそばでマラソンを観戦した少女のように、父のために走る娘として、大切な思い出を再び味わうことができると考えています。

でも正直に言うと……東京マラソンを走って完走メダルを身につけながら好きなだけお寿司を食べるという生涯の夢をかなえるということでもあります(笑)

 

東京マラソンを走った後に温泉に浸かれたら

――あなたの心が動いた東京マラソン関連のエピソードやストーリーを教えてください。

 

 私にとってマラソンで最も感動的な思い出の1つは、父と一緒に東京2020オリンピックをテレビで観戦したことです。父が亡くなる前に一緒に観戦した最後のオリンピックで、ポルトガル人が獲得したメダルはすべて覚えています。

また、東京で走ることは、単にレースを完走することではなく、人生においても一つの節目となると感じています。陸上競技に対する私と父の共通の情熱を称え、父と一緒に世界最高のランナーたちを観戦しながら夢を見た少女の気持ちをもう一度感じることができるからです。

父はきっと天から応援してくれていると思いますが、おそらく私が今まで見たこともない「優雅な」ヨガのポーズでフィニッシュする写真を見て、きっと笑ってくれるでしょう。

 

――東京マラソンは2027年に20回大会を迎えます。世界一の大会になるために、東京マラソンに期待したり、もっとパワーアップして欲しいことはありますか?

 東京マラソンは2027年に20周年を迎えますが、世界で最も刺激的で包括的なレースの一つとして進化し続けることを願っています。

その一つは、チャリティプログラムを強化し、海外のランナーが参加しやすくすることです。茂木健一郎氏のように目的を持って走ることは、マラソン体験に深い意味を加え、ランナーが自分を超えた何かとつながる経験を得ることができます。

また、世界のさまざまな地域からの参加者や、独自の個人的なストーリーを語ってくれる人など、マラソン精神を代表するランナーを招待することも一つのアイディアです。人々が走る多様な理由を讃え、レースのグローバルな側面を体現することにつながると思います。さらに、伝説的な過去の優勝者にスポットライトを当て、彼らのレガシーをストーリーテリングに組み込むことは、マラソンの歴史を称え、新しい世代のランナーを刺激するのではないでしょうか。

そして、私の個人的な願いとしては……すべてのランナーにレース後に温泉に浸かる機会を提供するのはどうでしょうか?日本の東京で開催されるマラソンですから、42.195kmを走った後に温泉に浸かることができたらと、夢見る人も多いのではと思います。

 

回復力、情熱、そしてレガシー

――ずばり、あなたにとって東京マラソンとは!?

 私にとって、東京マラソンは復活、情熱、そしてレガシーを意味します。

日本には「七転び八起き」ということわざがあります。「七転び八起き」それがランニング、そして人生のすべてです。私は父を亡くして悲しみに暮れましたが、ランニングを通じて立ち上がることができました。私は父のために、父と分かち合ったスポーツへの愛のために、そして人生のチャンスを与えられるべき子どもたちのために走ります。

東京で走ることは単なるレースではなく、敬意を表し、故郷を想い、夢が叶うことだと思います。

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