Interview Relay ~42のストーリーで想いを繋ぐ~
My Tokyo Marathon is…? 世界のマラソン大会が目指すべき姿の典型
- 走る人

東京マラソンへの想いを42のストーリーで繋ぐインタビューリレー。
今回は日本文化への愛にあふれるAnil Tosarさんの素敵なストーリーをご紹介します。
何飛行機を降りた瞬間に日本に恋に落ちました
――現在掲載されているインタビュー記事で最も共感した記事を教えてください。何km目のランナーの記事ですか?
掲載されているインタビューはどれも興味深く、インスピレーションを与えてくれました。第1回目の東京マラソンからボランティア活動を行っており、ランナーと同じくらい感動的なストーリーの日下康子さん(1km)、東京マラソン2019で8位となり、決して諦めない姿勢を見せて東京2020オリンピック選考会をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場までの感動的なストーリーを語った神野大地さん(12km)のストーリーにも感銘を受けました!
一番心に残ったインタビュー記事は株式会社アシックスの廣田康人代表取締役会長CEO(9km)の記事です。私はアシックスブランドの大ファンです。驚くほど快適なランニング シューズ (私の個人的なお気に入りはゲルニンバス) から、スタイリッシュでありながら実用的なランニングアパレルまで。「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかしと祈るべきだ(“Anima Sana in Corpore Sano”)」 は美しいスローガンです。アシックスが東京マラソンのオフィシャルパートナーであることは素晴らしいことです。
アシックスのような大企業が、今でも自分たちのルーツを意識し、東京マラソンを応援するため、当日多くの社員がボランティア活動をしていることは素晴らしいことです。アシックスは世界中の先駆者たちを擁する非常に包括的なブランドであり、ランニングコミュニティの頂点に立っています。ランナーの身体面だけでなく、同様に重要な精神面にも貢献していると思います。CEOの廣田康人氏本人も自ら10回目の東京マラソンに挑戦するという事実も素晴らしく、彼の献身とコミットメントを示していると感じました。彼は想像を絶するほどに忙しい人方だと想像していますが、それでもマラソントレーニングに時間を割き、タイムマネージメントされている姿勢は尊敬に値します。
――東京マラソンの一番の魅力、走りたくなるポイントはどんなものですか?
私は常に日本という国に興味を抱いてきました。文化、テクノロジー、価値観、そしてもちろん素晴らしい食べ物にも魅了されています。ここ数年、日本は私の旅行したい国リストの上位にあります!。私は2019年に婚約し、ハネムーンを計画していました。行き先は??そう!日本です!!私と妻は結婚式後の2021年4月のハネムーンに向けて完璧な計画を練っていました。コロナの影響を受け私たちの計画は台無しになり新婚旅行はキャンセルになってしまったのです。それから数年後の2024年11月、ついに日本を訪れ東京、箱根、京都、大阪をめぐる素晴らしい旅を経験しました。
私たちは、飛行機を降りたその瞬間に日本に恋に落ちました。私たちは旅行前に多くの日本についてのオンライン動画を視聴し、記事を読み日本にいることを想像してきました。そして、ついに日本に降り立ったことが信じられませんでした。
日本人は私がこれまでの旅行で出会った中で最もフレンドリーで歓迎的な人々であり、文化は驚くことばかりでした。旅行中に多くのランナーを見かけました。私はランニングシューズを持っていかなかったことをとても後悔しました。日本での日々は私が今までに過ごした中で最高の休暇でした。この文章を書きながら多くの幸せな思い出を蘇らせることができ、笑みが溢れます。
私たちは様々な都市を来日中に訪れましたが、私のお気に入りを選ぶとしたら、それは東京です! 何もかもが本当に際立っていました。大都市の中にいくつかの小さな都市があるような感覚は初めてでした。渋谷の交差点を初めて歩いた時は現実離れした気分でした。神社や公園は美しく、食事は全て「おいしい!」としか言いようがありませんでした。
東京マラソンは、チャレンジングでありながら壮観なコースや、想像するだけでワクワクする雰囲気など、魅力的な側面がたくさんあると思います。もし私が出場権を獲得できたら、この息を呑むような街を再び訪れる理由になります。大好きな街で、大好きなランニングができる素晴らしい機会になるでしょう!
私は今年(2025年)ロンドンマラソンを走る予定ですが、2年間で2つのアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)を走る機会を得ることは、「普通の人」には達成できないと言われてきました。東京マラソンを走ることができたら私にとって、個人的にも素晴らしい達成となるでしょう。私は不可能と言われたことに挑戦して不可能は可能にできると証明したいのです。
たとえ今回東京マラソンに当選できなかったとしても、体がダメと言うまで応募し続けます! 活気に満ちた陽気な街でAbbottWMMの一つである東京マラソンを走れば、これから通過する人生の節目も別の視点から見ることができるでしょう。日本人の性格を知ると、東京マラソンは世界で最もよく組織されたマラソン大会であると確信できます。もし、東京マラソンを走ることができたらそれは本当に光栄なことです。
舞台裏のすべての人々に感謝を!
――あなたの心が動いた東京マラソン関連のエピソードやストーリーを教えてください。
私が読んだランナーに関する記事の中で最も感動的なのは、かつて「市民ランナー」だった川内優輝さんの記事です。彼はプロランナーに転向する前は、フルタイムの仕事を持ちながらも定期的にマラソンを走り続けていて、とても感動しました。英国の国民保健サービスで薬剤師としてフルタイム(週末も含む)で働いている私にとって、マラソンのトレーニングと仕事を両立するのはとても難しいことですが、川内さんの記事を読んだことでやる気が出ました。彼が働きながら、2011年の東京マラソンで日本人トップの3位でフィニッシュラインを越えるまでに、どれだけの努力、規律、献身を注いできたのか想像することができます。本当に素晴らしい功績です!
私がとても感動した最近の記事は、ポーラ・ラドクリフさんが10年ぶりにマラソンに復帰するという事実です! 2002年、私がまだ10歳だった頃、ロンドンマラソンを見て、ポーラ・ラドクリフさんが初めてマラソンで優勝したのを覚えています。そこから彼女は記録を破り、レースに次々に優勝し、誰もが知る存在になりました。彼女は限界を打ち破ったことで、ランニングを始めたい多くの子どもちに大きなインスピレーションを与えました。ポーラさんは世界が見た中で最も偉大なランナーの一人であり、引退から10年経ったいま、東京マラソン2025に参加してマラソンに復帰するのはまさにふさわしいことです。
――東京マラソンは2027年に20回大会を迎えます。世界一の大会になるために、東京マラソンに期待したり、もっとパワーアップして欲しいことはありますか?
東京マラソン20周年は盛大に祝うべきだと思います! レースそのものを祝うだけでなく、日本の国全体で祝うべきです。 20周年は、素晴らしい日本文化の進化を紹介する絶好の機会となるでしょう。これには、伝統的なパフォーマンスやアニメにインスピレーションを受けたショーなど、文化を取り入れたショーが含まれることを期待しています。また、東京のランドマークは東京マラソンのコースを非常に魅力的なものにしているので、20 周年を紹介するために主要なランドマークを組み込むことはよいアイデアだと思います。東京2020オリンピックのように、世界を魅了するエキサイティングな開会式になるかもしれません。
私が強く感じていることの1つは、2007年の開始以来、東京マラソンが今日の形になるよう貢献してきた舞台裏のすべての人々を大いに賞賛し、感謝する必要があるということです。東京マラソンの舞台裏で開催を支えるために、常に労力を惜しまず支えてきた職員や、すべてのボランティアに感謝を示すことができれば素晴らしいと思います。また、その時のトップエリートの男性と女性のランナーを招待すれば、必見のレースになるでしょう。観客との交流も組み込むことができればと期待しています。たとえば、観客がコースのさまざまなエリアに移動することを促すために、インタラクティブゾーンを含めるなど、様々なアイデアが考えられます。さらに、東京マラソン前日などに他のミニレースイベントを開催するのも良いでしょう。マラソンランナーもそうでない人も、夜の10kmレースを走ることはきらめくライトの下、夜の東京の街を走る素晴らしい体験になります!)
持続可能性と環境保全は世界中で大きな話題となっており、東京マラソンを世界で最も環境に優しいマラソンにするための持続可能性の取り組みに挑戦すること素晴らしいことです。
東京マラソンと私の人生は共鳴している
――ずばり、あなたにとって東京マラソンとは!?
東京マラソンは、世界の主要なマラソン大会が目指すべき姿だと思います。包容力、活気、団結、忍耐。もし参加することができればそれは私にとって、とても特別な旅になるでしょう! 私にとって2回目のマラソン、延期されたハネムーン、そして日本文化への愛という個人的な意味が混ざり合ったものです。ランニングへの情熱を追求しながら、街とより深くつながるとてもエキサイティングなものになるでしょう。東京マラソンのフィニッシュラインを越える経験は、私の人生の物語ととても共鳴しているので、とてもやりがいを感じます。