Interview Relay ~42のストーリーで想いを繋ぐ~

My Tokyo Marathon is…? 「Tokyoいいね!」を世界に感じてほしい

My Tokyo Marathon is…? 「Tokyoいいね!」を世界に感じてほしい

東京マラソンへの想いを42のストーリーで繋ぐインタビューリレー。

今回はオフィシャルパートナーの東京メトロ(東京地下鉄株式会社)です。

2007年の第1回大会よりオフィシャルパートナーとして支えてきた立場から感じる東京マラソンの魅力や価値、東京マラソンというスポーツ文化が街にもたらしたメリットとは? そして節目となる2027年の20回大会に向けて東京メトロは東京マラソン財団とともにどのように東京マラソンを盛り上げていきたいかなどについて、同社の福田至常務執行役員にお話いただきました。

 

「東京を走らせる力」の実現に向けて

東京マラソンEXPO 2024 オープニングセレモニーに参加する福田常務執行役員(右から2人目)

――東京メトロさんがオフィシャルパートナーになったきっかけを教えてください。

 東京メトロは、東京都区部を中心に195kmの鉄道ネットワークを持っており、グループ理念は「東京を走らせる力」です。首都東京の魅力や活力を引き出して東京に集う人々の活き活きとした毎日に貢献すべく、鉄道事業を中心に様々な事業に取り組んでいます。東京マラソンは、まさに当社の事業基盤がコースになっています。この大会を足元から支え、大会当日に訪れる皆さまにより楽しく快適にお過ごしいただけるよう、協賛社という立場から一層のバックアップをさせていただくことは、まさに「東京を走らせる力」の実現に繋がると考え、オフィシャルパートナーとして協賛しています。

実は当社は、東京マラソンがまだ始まる前、2004年度の「東京国際マラソン」から協賛をしています。その背景には、帝都高速度交通営団から東京メトロに体制が変わったタイミングでもあり、当社の知名度向上を目的とする側面もありました。そして2007年度よりスタートした東京マラソンは、東京という街を国際観光都市としてPRする大きなイベントであり、そのような大会に協賛することで、企業イメージを浸透したいという思いもありました。

 

――第1回大会からオフィシャルパートナーを続ける理由を教えてください。

東京マラソン2024では二重橋前<丸の内>駅でランナーに向けた応援メッセージの掲出やお疲れ様ポスターを掲出した

 東京の活性化に貢献するという目的は協賛当初から変わっておりません。国内外から参加されるランナーの方々、大会を支えていただくボランティアや地域の皆さま、応援する皆さまが一体となる特別な日に、大会を一緒に支え盛り上げることで、より東京の街の魅力を実感してもらえる機会になると考えています。ここ数年に限れば、コロナ禍による地域・社会とのつながりの希薄化や地域の活力低下などの課題に対して、東京マラソンへの協賛を通じて東京の活気・にぎわい創出に寄与したいという思いもあります。

東京の発展と東京メトロの発展は軌を一にするものですので、東京メトロにとってはやはり東京の街が盛り上がることがとても大事だと思います。

 

――オフィシャルパートナーとして東京マラソンを活用して社内で取り組んだ事例などはありますか?

東京メトロ社員がボランティアで参加する様子(東京マラソン2024)

 大会を支えるメンバーの一員として大会当日はコース沿いの各駅に通常よりも多数の社員を配置していますが、加えて、当社グループ社員によるボランティアをはじめとしたサポートもさせていただくなど、参加する全ての方が安心してお過ごしいただけるよう、万全の態勢で臨んでいます。ボランティアに参加した社員からは「楽しんで走る空気感を一緒に味わえた」という声や、「ランナーからの『ありがとう』と笑顔に感動した」「ボランティア同士で声を掛け合いながらの活動が楽しかった」という声が集まっていますね。

ほかにも、東京マラソンをきっかけに東京を訪れた皆さまがより楽しんでいただけるよう、東京メトロならではの盛り上げ施策も実施しています。例えば東京マラソン2024では、駅係員が法被(はっぴ)を着用してお客さまのご案内にあたったり、お客さまから集めた応援メッセージを駅構内に掲出するなどしました。

また、応援するランナーの目標タイムに合わせた応援モデルルートを紹介する『メトロで追っかけ応援団 』*1を公開するなど、当日の応援をスムーズにお楽しみいただけるようなサービスも提供しています。このサービスができるのも、東京メトロのきめ細かい鉄道ネットワークがあるからこそだと思っています。

この『メトロで追っかけ応援団』を使用した方からは、「応援に適した移動ルートがわかりやすく応援する気持ちが高まった」という声や、「土地勘や乗換えについて知識がないので非常に役立った」、「通過予想時刻を参考にして観光をしながら応援できた」という声をいただきました。嬉しいですね。

 

東京マラソンとともに都市力が上がってきた

――2007年当時の開催当初の東京マラソンと現在の東京マラソンの違い、発展、成長に関してはどのように感じていますか?

2013大会からアボット・ワールドマラソンメジャーズに加入し、世界の主要なマラソン大会の一つになりました。参加者数も開催当初から増えて2023大会には海外のランナーが初めて1万人を超え、ランナーのみならず、沿道にも多くの外国人が駆け付け、国際性をそなえるスポーツイベントへと変化したと感じています。

コース変更も印象的ですよね。2007年の初開催以降、都心部では再開発などにより景観に風格が出てきました。また競技面でも世界的なマラソンレースの高速化・車いすレースの国際化が進むなど、東京マラソンを取り巻く状況が変化してきました。それらを踏まえて2017大会からは、東京の魅力を内外に一層アピールでき、記録も狙えるコースとして、「東京駅前・行幸通り」をフィニッシュとするコースへと変更されましたが、コースが変更となれば交通規制やお客さまの流動にも変化が生じることから、東京メトロとしてもご案内体制をしっかり調整してきました。

また、サステナビリティやダイバーシティの観点もより重要視されるようになり、時代に合った大会運営の在り方に変化していると感じています。

より多くの方々が楽しめるスポーツイベントへと成長した今、東京マラソンをさらに身近に感じてもらえるよう、東京メトロでもSNSを活用した出走権キャンペーンを展開したり、2025大会の前に初めてバーチャルランイベントを実施するなど、新たな施策展開にも取り組んでいます。

 

――東京マラソンが創設されて以来、東京マラソンが街の活性化に果たしてきた役割についてはどのように感じていますか?

 この17年間、やはり東京の街の姿は変わってきたなと思います。街の更新も進み、インフラの整備という点でみても、道路や鉄道施設が拡充され、バリアフリーに関してもこの20年近くで随分と向上したと思います。そして、そうした街の魅力が海外に向けて発信されるようになったこと。これは東京マラソンだけではなく、オリンピック・パラリンピックなどの影響もあるかと思いますが、「外の目」も意識するようになったと思います。それらのことを考えると、東京マラソンとともに都市力が上がってきたのかなと感じています

 

交通の面から『世界一の東京マラソン』に貢献

東京マラソンEXPO 2024 東京メトロブースの様子

――応援する側、支える側としてこれまで東京マラソンを見てきた中で、何か思い出に残っている出来事などはありますか?

東京マラソンはエリート選手だけのレースではなくて、短い距離や車いすのレースがあるなど色々な形があるので、一つの大会の中でも多様性があるのだなと、まずその部分が心に残っていますね。あとは準備と後片付け。スタートが終わった後、道路に積もった紙吹雪を掃除する人もいれば、ランナーの荷物を運ぶ人もいる。そうした支える人たちの存在があって大会が成り立っているのだなという点が心にしみました。

そして、やはり当日の盛り上がりはすごいですよね。2024大会ではスタート地点で応援させていただいたのですが、様々な衣装で着飾ったり、風景の写真を撮っていたりなど、皆さんがそれぞれ楽しんでいるのだなということをすごく感じましたね。

 

――「東京がひとつになる日。」という東京マラソンのキャッチコピーに関してはどのように思っていますか?

東京マラソンは走る人だけの祭典ではないということは強く感じています。たぶん、走る人数以上の走らない人が一緒に参加して、走る人と同じ気持ちになっているのではないでしょうか。ボランティアの皆さんも抽選ですよね。それくらい多くの皆さんが自発的に東京マラソンに参加しようとしている。そういう意味では走る人も走らない人も「ひとつになれる日」なのかなと思っています。

 

――また、東京マラソン財団は、「世界一安全・安心な大会」、「世界一エキサイティングな大会」、「世界一あたたかく優しい大会」を3本の柱にして、『世界一の街東京で、世界一の東京マラソン』を実現していきたいと掲げています。これらについてはどのように思いますか?

これらの柱は、東京メトロが東京マラソンにおいて提供したいことと合致していると感じています。特に、「世界一安全・安心な大会」では約38,000名のランナーはもちろん、ランナーを応援する人が首都・東京を駆け巡る中で、普段と変わらない安全で安定した輸送を提供します。

 

街、大会、メトロがともに成長・進化

前回大会の当日は、駅員が法被(はっぴ)を着て東京マラソンを盛り上げました(東京マラソン2024)

――御社にとっての東京マラソンとは? #MyTokyoMarathon is…?

東京マラソンのコースは、その多くが当社事業エリアと重なり、私たちが毎日接している場所を束ねて舞台とした祭典でもあります。また会社として第1回大会からトップスポンサーとしてサポートさせて頂いている歴史も含め、社員にとっても大会へのシンパシーは強く、イベントを盛り上げようという自然な気持ちが沸き上がってきます。東京マラソンは世界に東京の街の魅力を発信できる日でもありますよね。大会を通じて、東京の魅力が世界に伝わることは、当社の目指す方向性と一致するもの。この祭典を通じて、走る人も走らない人も、街、人、空気など、東京の魅力・良さに触れてほしい。そして、私たちの仕事の舞台でもある東京で「Tokyoいいね!」を世界に感じてほしいと思っています。

 

――今後、東京メトロさんでは東京マラソンと一緒にどのようにして街を盛り上げていきたいですか?

東京マラソンは、走る人も走らない人もみんなが一体になれるという気持ちの高揚がありますし、合わせてメトロの沿線である東京の街の魅力が色々な国内・国外に発信される日でもありますので、とても大事な日だと思っています。いずれ東京の人口は減っていく傾向になると思いますので、外から東京に来てもらうことは大事です。東京マラソンのような「東京がひとつになる日。」というイベントをきっかけにしながら都市としての魅力、活力を表現して、それが世界に発信される――そのことが東京メトロの成長にもつながっていくと思っています。

また、東京マラソンの大会自体、これまで参加人数やコースなどが変わっていったようにこれからも変化し続けるのだと思いますが、それはとてもいいことだと思います。そうして柔軟に変化しながらも進化していくことは街にとっても進化だと思いますし、今後も東京メトロにとっても進化につながるものになってほしいと思います。

 

*1 『メトロで追っかけ応援団 』

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